こんにちは。
昨日「ロレンツォのオイル/命の詩」という映画をテレビで見ました。
ALD(副腎白質ジストロフィー)という難病におかされた息子ロレンツォを救うために、医学にはまったくの素人であったオドーネ夫妻があらゆる手をつくして奮闘する、実話に基づく映画です。
息子をどうにかして救いたいと思うオドーネ夫妻は、医学図書館に通い詰めて独学でALDについて学び、あらゆる論文を読み、医師や研究者と知識や意見を交換するためにALDの国際シンポジウムを開催するに至ります。
このオドーネ夫妻の奮闘はすさまじいものでした。みなが「不治の病」「有効な薬はない」とする中、あらゆる情報を求め、学び、前進・後退を繰り返しながらも、息子を救いたい一心で行動していくんです。ときにはそれは行き過ぎた行動のようにも描かれ、協力してくれる他の家族や友人、ALD患者全員に対する責任があると考える医師や、苦痛を長引かせるのでなく慰めることが大事と考える支援団体などとぶつかることもありました。これは誰が正しい、あるいは間違っている、とは言えないことでしょうね。だからこそ見ていてつらい場面も多かったです。
約1か月、カネミ油症の問題に対峙してきた中、この「ロレンツォのオイル / 命の詩」を見てあらためて感じたことがあります。それは「患者や家族は、あらゆる情報を求めている」ということです。オドーネ夫妻は先にも書いたように、医学においてはまったくの素人でした。それでも賢明に学び、そしてあらゆる関連情報を入手しようとしました。カネミ油症で苦しむ人たちや、もしかしたら自分がそうではないのかと思っている人たちも、きっとさまざまなルートで情報を求め、知りたいと考えていると思います。私たちのサイト「カネミ油症事件は終わっていない」も、そのような方たちのために、少しでも力になれるようなサイトにしていきたいと、あらためて思いました。

ALDは母親がキャリアとなる遺伝性の病気であり、自分は発病しなかった母親が、自分から受けついだ遺伝子のためにALDになった息子ロレンツォを見て、何が何でも治してやりたいのになかなか打つ手がないと苦しむ姿は心に深くつきささります。ALDとカネミ油症はまったく別の病気であり何の関係性もありません。しかし、カネミ油症では、母親が汚染されたライスオイルを摂取したことにより胎内の赤ちゃんにまで油症の症状が出た例が多数あります。自分ではどうにもできなかった原因のせいで、愛する子供にまで健康被害が及んでしまったと知った母親の苦悩は、オドーネ夫人の苦悩と同様、とてもつらいものでしょう。そして、どうしても治してあげたいと願うでしょう。皆がオドーネ夫妻のように独学で医学を学ぶことはできないと思います。しかし、少しでも多くの研究者・専門家が手を結び、はやく有効な治療法が見つかるように声をあげていくことはできるはず。そしてこれは、患者や当事者だけではなく、周りの私たちにもできること。そう思います。

ちいこ

注)「ロレンツォのオイル / 命の詩」の映画について少し注意があります。最後にオドーネ夫妻が提案した配合のオイルがロレンツォの症状を改善した、として終わるのですが、当時、そのオイルがALDの治療法だという誤った認識が広がりました。ロレンツォのオイルは特定の脂肪酸の数値は下げたものの、ALDそのものを治すものではありません。ただし、特定の場合においては効果を見せるという結果も出ており、現在でも治療に取り入れている場合があるようです。